この記事では、フロアコーティングに興味をお持ちの皆様に向けて、基本的な知識を解説します。理想の住まいづくりにお役立てください。
フロアコーティングとは？床を傷や汚れから守る特殊な膜
フロアコーティングとは、フローリングの表面に特殊な保護膜（塗膜）を作る技術です。この透明な膜が、大切な床を生活のあらゆるダメージから守ります。
主な効果
フロアコーティングは、フローリングにとって「もう一枚の丈夫な皮膚」のような役割を果たし、以下のような日常的な問題の軽減に役立ちます。
傷・へこみの防止：フローリング表面に硬い保護層を作ることで、日常生活で発生する様々な物理的ダメージを防ぎます。
- 椅子の引きずりや家具の移動による引っかき傷の防止
- ペットの爪による細かい傷や摩耗の防止
汚れ・シミの防止：塗膜がフローリング材への浸透を防ぐため、汚れの付着を防ぎ、手入れを容易にします。
- 飲み物や食べ物をこぼした際のシミや汚れの防止
- 水拭きや洗剤での掃除が容易になることによるメンテナンスの軽減
フローリングの日焼けを防ぐ効果：コーティング剤に含まれるUVカット成分などにより、紫外線による床材の変色・劣化を遅らせ、新築時の色味を維持します。
- 窓から差し込む日光によるフローリングの変色や日焼けの防止
高い滑り止め効果：適度なグリップが生まれることで、家族全員の安全性を高め、ペットの足腰への負担を軽減します。
- 小さなお子様や高齢者の転倒事故のリスク軽減
- 室内を走り回るペットの滑りを防ぎ、関節への負担を軽減
美観の維持と長期的な持続：ダメージからフローリング材を直接守ることで、美しい状態を長期にわたって保ちます。
- コーティング材の種類に応じた美観（光沢や自然な風合い）の維持
- 一度の施工で長期間（5年〜20年超）効果が持続
フロアコーティングは、忙しい毎日の中でも床の美しさと快適な住空間を維持するための、心強い味方と言えるでしょう。
ワックスとの違いは？耐久性とお手入れの手間が大きく異なる
フロアコーティングと床用ワックスは目的と耐久性が大きく異なります。
床用ワックス
- 目的：主に床のツヤ出しと短期的な保護。
- 耐久性：短い（数ヶ月〜半年程度）。定期的な塗り直しが必要。
フロアコーティング
- 目的：床材の長期的な保護（傷、汚れ、日焼け防止）と耐久性の向上。
- 耐久性：長い（5年〜20年超）。一度施工すればメンテナンスの手間が大幅に軽減
ワックスが一時的な美観維持なのに対し、コーティングは長期にわたる床材の保護と高機能化を目的としています。求める効果と耐久性に応じて選ぶことが重要です。
二つの違いに対してさらに詳しく知りたい方は、【ワックスとの違いとフロアコーティングの必要性】をご覧ください。
フロアコーティングはどんな人におすすめ？
フロアコーティングは、フローリングの保護だけでなく、美観維持、安全、快適性を重視するすべての方におすすめできます。
特に、以下のようなお悩みやご要望を持つ方にとって、非常に有効な選択肢です。
- 美観と保護を重視する方
- 新築の美しさを長く保ちたい方
- 小さなお子様がいるご家庭：食べこぼしによる汚れを防ぎたい。
- ペットを飼っているご家庭：爪による細かい傷や、粗相によるシミを防ぎたい。
- 日々の暮らしを快適にしたい方
- 共働きなどで忙しいご家庭
- 掃除の手間を減らして家族との時間を大切にしたい方：コーティングにより、日々の掃除が楽に。
- 健康と安全を重視する方
- アレルギー体質の方がいるご家庭：ホコリやダニの温床になりがちなワックスを避け、衛生的で安心な床環境を実現したい方。
フロアコーティングは、単なる床の保護にとどまらず、それぞれのライフスタイルに合わせたお悩みを解決し、より快適な住まいづくりをサポートします。
知っておきたいフロアコーティングのデメリットと注意点
フロアコーティングは長期保護に優れますが、導入前に把握しておくべき注意点があります。
- 初期費用が高額
ワックスなどに比べ、初期にかかる費用は高額になります。ただし、長期的なメンテナンス費用や手間は大幅に削減されます。
- やり直しがきかない
一度硬化してしまえば、簡単に剥がしたり、やり直したりすることができません。そのため、施工後の仕上がりや質感について事前の確認が非常に重要です。
- 質感の変化
コーティングの種類によっては、フローリング本来の自然な風合いや光沢感（ツヤ）が変化します。特にUVコーティングは強い光沢が出るため、好みが分かれます。
これらのデメリットと、お客様のライフスタイルや予算を総合的に考慮することが、後悔のない選択につながります。
【種類別】フロアコーティングの選び方｜特徴・費用・耐久性を徹底比較
フロアコーティングにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や費用、耐久性が異なります。最適なコーティングを選ぶためには、何を最も重視するのかを明確にすることが大切です。
このセクションでは、フロアコーティングの種類について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
なおメイプル社のフロアコーティングについて詳しく知りたい方は、【コーティングの種類と性能の比較】も併せてご覧ください。
UVコーティング｜施工後すぐに入居可能
- 特長：施工後の即入居が可能、3種類の中で一番強い高光沢な仕上がり。
- おすすめ：入居前の短い期間で施工を終えたい方、強い光沢を好む方。
- 主成分：ウレタンアクリレート
- 硬度：5H
ガラスコーティング(プライムコート)｜人気No.1！傷に強く艶感を選べる
- 特長：業界初の永年保証付き、傷や汚れに強い耐久性、艶のあり/なしを選択可能で自然な風合いにも仕上げられる。
- おすすめ：傷つきを最も防ぎたい方、艶の度合いにこだわりたい方。
- 主成分：ガラス
- 硬度：8H
シリコンコーティング(グリップワン)｜滑りにくさNo.1！ペットにおすすめ
- 特長：滑りにくさNo.1で水や油を弾く。
- おすすめ：室内でペットを飼われている方、小さなお子様や高齢者がいるご家庭で安全性を重視したい方。
- 主成分：シリコン
- 硬度：5H
【目的・ライフスタイル別】おすすめのフロアコーティング
フロアコーティング選びで迷わないためには、「どのような暮らしを実現したいか」という目的と、ご自身のライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。このセクションでは、以下の具体的なケースごとに、なぜそのコーティングがおすすめなのかを解説します。
- 小さなお子様がいるご家庭（例：安全性を高める滑りにくいコーティング）
- アレルギーが気になるご家庭（例：ワックスを使わず衛生的な環境を保てるコーティング）
- ペットと暮らすご家庭（例：耐傷性や耐久性に優れたコーティング）
- 費用を抑えつつ美しさを保ちたいご家庭（例：コストパフォーマンスに優れたコーティング）
ご自身の状況に近いケースを参考にすることで、数ある選択肢の中から、納得のいくフロアコーティングを見つけることができるでしょう。
小さなお子様やアレルギーが気になるご家庭
小さなお子様がいるご家庭や、アレルギーを気にされるご家庭では、フロアコーティング選びにおいて特に「安全性（滑りにくさ）」「衛生面（掃除のしやすさ、耐薬品性）」「コーティング剤の成分」の3点を重視することをおすすめします。
これらの観点から、適度なグリップ力があり安全性と機能性を両立する「ガラスコーティング」や、特に滑り止め効果に優れる「シリコンコーティング」が有力な選択肢となるでしょう。
犬や猫などペットと暮らすご家庭
滑り止め効果が最も高い「シリコンコーティング」は、ペットの足腰への負担を軽減し、股関節脱臼などのリスクを低減する効果が期待できるため、第一候補となるでしょう。
また、傷への強さと自然な仕上がりを両立したい場合は、「ガラスコーティング」も選択肢の一つです。さらに、耐水性や耐アンモニア性に優れたコーティングを選ぶことで、万が一の粗相の後始末が格段に楽になり、衛生的に保つことができます。
費用を抑えつつキレイを保ちたいご家庭
初期費用をできるだけ抑えつつ、フロアコーティングの恩恵を受けたいと考えているご家庭には、コストパフォーマンスに優れた「ガラスコーティング」や「シリコンコーティング」が選択肢となります。
これらのコーティングは、UVコーティングに比べて手頃な価格で施工できる点が大きなメリットです。
フロアコーティングの費用相場は？広さ・種類別の料金目安
フロアコーティングをご検討される際、最も気になる点の一つが費用ではないでしょうか。フロアコーティングの費用は、選ぶコーティングの種類や施工する面積、さらには新築か中古かといった床の状態によって大きく変わります。
このセクションでは、フロアコーティングの種類ごとの単価や、一般的な間取りを例にした費用シミュレーションを解説していきます。
メイプル社のコーティングの費用についてはこちらをご覧ください。
種類別の平米（㎡）単価（税込）
- ガラスコーティング：約4,000~8,000円
- シリコンコーティング：約3,000~7,000円
- UVコーティング：約5,000~9,000円
【間取り別】フロアコーティングの費用シミュレーション
平米単価だけでは分かりにくい総額の目安を、一般的な3LDK（延床面積70㎡程度）を例にご紹介します。
シミュレーションの前提
- 1LDKのみ（約20帖）の施工
- 3LDK全体（約40帖）の施工
種類別 総額目安
| コーティング種類 | LDKのみ（約20帖） | 3LDK全体（約40帖） |
| ガラスコーティング | 約13万円〜26万円 | 約26万円〜52万円 |
| UVコーティング | 約16万円〜29万円 | 約32万円〜58万円 |
| シリコンコーティング | 約10万円～23万円 | 約20万円～46万円 |
費用調整のポイント
総額は、「施工範囲をLDKや廊下など、よく使う場所に限定する」ことや、「予算に合わせてシリコンコーティングなど比較的安価な種類を選ぶ」ことで調整可能です。
ご自身のライフスタイルと予算に合わせて、最適な範囲と種類を検討してください。
フロアコーティング施工のタイミング
ベストなタイミング：入居前
フロアコーティングの施工に最も理想的なタイミングは、新築や大規模リフォーム後の「家具や荷物が運び込まれる前の入居前」です。
入居前施工の大きなメリット
最高の仕上がりと効率
- 床に物が何もないため、職人がスムーズに作業でき、部屋の隅々までムラなく均一にコーティングできます。
コストと手間の削減
- 家具の移動費用や手間が一切かかりません。
- 既存の傷や汚れがないため、下地処理の工程が短縮され、費用が抑えられる可能性があります。
施工時の注意点
- 専門業者に依頼する場合には、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
DIYで行う場合は、事前の清掃や下地処理が不十分だと施工不良を起こす原因になるため、専門業者への依頼をおすすめします。
- 施工後、コーティングが完全に硬化するまでは、重い物を引きずったり、滑ったりしないように注意が必要です。
後悔しない！フロアコーティング業者の選び方5つのポイント
フロアコーティングの最終的な仕上がりと満足度は、業者選びにかかっています。理想の仕上がりを実現し、失敗リスクを減らすための重要なチェックポイントは以下の5つです。
- 豊富な施工実績があるか
- 保証やアフターサービスが充実しているか
- 見積もりの内訳が明確か
- 安全性の高いコーティング剤を使用しているか
- ショールームで実際の仕上がりを確認できるか
これらの5つのポイントに注目して業者選びを進めることで、大切な住まいを長く快適に保つことができます。
業者選びについて詳しく知りたい方は、【フロアコーティングで後悔しない！失敗しない業者の選び方完全ガイド】も併せてご覧ください。
まとめ｜フロアコーティングで美しく快適な暮らしを手に入れよう
フロアコーティングは、単に床を保護するだけではありません。日々の掃除の手間を大幅に減らし、新築時の美しい状態を長期間保つことで住空間全体の美観を向上させます。
小さなお子様やペットの転倒リスクを軽減する滑り止め効果、アレルギー対策としての衛生的な環境維持など、ご家族の安全と健康を守る重要な役割も担っています。
本記事でご紹介したフロアコーティングの種類や費用、業者選びのポイントなどを参考に、ぜひご自身のライフスタイルに合ったコーティングを見つけてみてください。
