フロアコーティングはシリコンかガラスか?UVは?

新築の美しいフローリングを長く保つためには、フロアコーティングが最も有効な手段です。しかし、シリコン、ガラス、UVと種類が多いため、どれを選ぶべきか迷う方も少なくありません。

本ガイドでは、後悔のない選択をしていただくため、主要な3種のコーティング(シリコン・ガラス・UV)を徹底的に比較します。ご自身のライフスタイルや予算に合わせた最適なフロアコーティングを見つけるための判断材料として、ぜひご活用ください。

フロアコーティングとは

フロアコーティングとは、フローリングの美しさと機能性を長期間にわたり維持するための硬い保護膜を形成する施工です。ワックスとは異なり、高い耐久性でキズ、汚れ、日焼けから床を強力に守ります。

  • 美観の維持

  • 安全性(滑りにくさ)の向上

  • 日々の掃除負担の軽減

といった多くのメリットをもたらし、暮らしの質を向上させます。

シリコン vs ガラス vs UV

耐久性・耐傷性で比較

フロアコーティングを選ぶ上で最も重要な要素の一つが、耐久性耐傷性です。この点で高い性能を発揮するのがガラスコーティングです。

紫外線照射によって硬化する塗膜は非常に緻密で、鉛筆硬度8H以上という圧倒的な硬度を誇ります。そのため、家具の引きずり傷、お子様のおもちゃによる擦り傷、ペットの爪痕など、日常生活で発生する様々なキズに対し、極めて強い耐性を示し、大切なフローリングを長期にわたって守ります。

仕上がり・光沢で比較

フロアコーティングは、仕上がりの見た目が住まいの印象を大きく左右します。光沢感の傾向は、以下の通りです。

  • UVコーティングは、鏡面のような非常に強い光沢感が特徴です。新車のような輝きは、モダンで高級感のあるホテルライクな空間を目指す方に最適です。

  • ガラスコーティングは、UVほどの強い光沢ではなく、フローリング本来の木目や質感を活かした自然で上品なツヤ感が特徴です。無垢材など素材の風合いを大切にしたい方や、落ち着いた雰囲気を好む方に適しています。

  • シリコンコーティングは、UVとガラスの中間程度のツヤ感を持つことが多く、バランスの取れた選択肢です。強い光沢は避けたいが、全くツヤがないのも寂しいと感じる方におすすめで、高い滑り止め効果とも両立する仕上がりです。

安全性・滑りにくさで比較

小さな子どもや高齢者、ペットがいる家庭にとって、フローリングの「滑りにくさ」は安全面で非常に重要です。
この点で最も優れているのがシリコンコーティングです。シリコン樹脂の特性による適度なグリップ力は、転倒リスクを大幅に軽減し、お子様の安全性やペットの足腰への負担軽減に大きく貢献します。

一方、ガラスコーティングUVコーティングは、シリコンに比べると滑りやすい傾向があります。しかし、近年では技術開発が進み、滑り止め成分の配合や特殊な表面加工により、滑りにくさを向上させた製品も登場しています。

費用と保証期間で比較

フロアコーティングの費用は、一般的に「UVコーティング > ガラスコーティング > シリコンコーティング」の順に高くなる傾向があります。

1. 初期費用の目安

  • シリコンコーティングの費用相場は、1平米あたり3,000円~7,000円程度です。
  • ガラスコーティングは、4,000円~8,000円程度が目安です。
  • 最も高価なUVコーティングは、5,000円~9,000円程度が相場となります。

2. 長期保証とトータルコスト

初期費用だけでなく、長期的な視点で保証期間を考慮することが重要です。

  • UV・ガラスコーティングは、その耐久性から20年~30年といった長期保証が一般的です。
  • シリコンコーティングの保証期間は、5年~10年程度が目安となります。

保証期間が長いほど、再施工やワックスがけといったメンテナンスが長期間不要となり、結果的にトータルコストを抑えられる可能性があります。ご自身の予算と、床の美しさを維持したい期間を考慮して選択することが大切です。

シリコンコーティングのメリット・デメリット

メリット:高い滑り止め効果とコストパフォーマンス

シリコンコーティングの最大の魅力は、その優れた滑り止め効果コストパフォーマンスの高さです。

 

1. 優れた安全性と快適性

安全性の高いシリコン樹脂による高いグリップ力は、小さなお子様やご高齢の方の転倒リスクを大幅に軽減します。また、室内で飼っているペットの足腰への負担を和らげるため、安心で快適な生活空間を提供できます。

 

2. コストと手軽さ
他のガラスやUVコーティングと比較して導入費用が比較的安価であるため、初期費用を抑えたいご家庭にとって魅力的な選択肢です。さらに、優れた撥水性により日常の水拭きが容易になり、ワックスがけの手間から解放されるなど、家事の負担軽減にもつながります。

デメリット:光沢の持続性は他に劣る

シリコンコーティングの留意点は、経年による光沢の変化や塗膜の黄変の可能性が挙げられます。

長期間の使用や日当たりなどの環境要因によっては、施工当初の美しい光沢が徐々に失われたり、わずかに黄みがかって見えることがあります。

また、油性マジックなどの油性の汚れが染み込みやすい場合があるため、汚れの種類によっては早めの対処が必要です。これらの特性を理解した上で、ライフスタイルに合った選択をすることが重要です。

ガラスコーティングのメリット・デメリット

メリット:高い耐久性と自然な風合い

ガラスコーティングの最大の魅力は、圧倒的な耐久性フローリングの風合いを活かした自然な美しさにあります。
1. 驚異的な保護性能と長期保証

鉛筆硬度8Hに達する高い硬度により、日常で発生する擦り傷やペットの爪痕などからフローリングを強力に保護します。また、耐薬品性・耐水性にも優れ、アルコール清掃なども可能です。一度施工すれば20年以上の長期保証が付く製品も多く、メンテナンスフリーで長期にわたる安心が得られます。

2. 上品な自然な仕上がり

非常に薄く透明度の高い塗膜のため、フローリング本来の木目や質感、色合いを損なわず活かします。ギラつきの少ない上品で自然なツヤ感に仕上がるため、無垢材など、素材の美しさにこだわる方に最適な選択肢です。

デメリット:比較的高価

ガラスコーティングの留意点は、初期費用の高さ稀に起こるクラックのリスクです。

シリコンコーティングと比較して導入費用は高額になりますが、その高い耐久性や長期のメンテナンスフリー期間を考慮すると、費用対効果は非常に高いと言えます。

ただし、硬度が高いという特性上、床材の伸縮に完全に追従できず、ごく稀に細かなひび割れ(クラック)が入るリスクがあることも念頭に置く必要があります。

UVコーティングのメリット・デメリット

メリット:圧倒的な硬度と光沢、短い工期

UVコーティングの最大の魅力は、その圧倒的な硬度施工時間の短さ、そして高級感あふれる仕上がりに集約されます。

1. 驚異的な即時性と硬度

専用の紫外線(UV)照射により、塗膜が瞬時に硬化します。そのため、施工完了後すぐに歩行や家具の設置が可能で、タイトな引っ越しスケジュールを持つ方に最適です。硬度に優れ、床を強力に保護します。

 

2. 高級感と衛生面

仕上がりは、ピアノのような深みのある鏡面光沢が特徴で、お部屋にラグジュアリーな高級感をもたらします。また、耐薬品性にも優れ、アルコール消毒液や洗剤にも強いため、衛生的に保ちやすく安心です。

デメリット:導入コストが最も高い

UVコーティングの留意点は、高額な導入コスト施工時の制約、そして強い光沢による好みの問題です。

1. 導入コストと施工の制約

高性能な分、導入コストは他のコーティングよりも高額になる傾向があります。また、施工には専用の大型紫外線照射機が必要なため、業者や建物の構造によっては施工が難しいケースが稀に発生することがあります。事前に業者への確認が必須です。

 

2. 仕上がりの好み

特有の強い鏡面光沢は、人によって好みが分かれます。フローリング本来の自然な風合いを重視する方にはギラつきが気になる場合があるため、事前にサンプルで仕上がりを確認することが重要です。

あなたの家にはどれ?最適なフロアコーティングの選び方

これまで、シリコン、ガラス、UVの特性を見てきましたが、最終的に新築住宅にどれが最適かは、ご家族のライフスタイルと何を一番大切にしたいかによって異なります。

このセクションでは、安全性、デザイン性、耐久性、予算といった優先順位に照らし合わせ、最適なコーティングを選ぶための具体的なヒントをご紹介します。後悔しない選択をするための一助となれば幸いです。

シリコンがおすすめな家庭:安全性とコスパ重視

小さなお子様、ご高齢の方、または室内でペットを飼われているご家庭には、シリコンコーティングが特におすすめです。

シリコンコーティングは、他の種類よりも優れたグリップ力と高い滑り止め効果を発揮します。これにより、お子様の転倒事故や、ペットの足腰への負担・関節疾患のリスクを大幅に軽減できます。

予算を抑えつつ、家族みんなが安心して暮らせる安全な住環境を整えたい場合に最適な選択肢です。

ガラスがおすすめな家庭:耐久性と自然な仕上がりを両立

日常で起こりがちなフローリングの傷を極力防ぎたいとお考えであれば、ガラスコーティングが非常に効果的です。非常に高い表面硬度を持つガラスコーティングは、ダイニングチェアの出し入れ、お子様のおもちゃ、ペットの爪などによる生活傷から床を保護します。

また、一度施工すれば20年以上の長期間にわたり効果が持続するため、ワックスがけのような面倒なメンテナンスから解放され、日々の掃除の手間を大幅に削減できます。

UVがおすすめな家庭:すぐに入居したい方

引っ越しスケジュールがタイトで乾燥を待つ余裕がない場合、UVコーティングは唯一無二の選択肢です。専用のUV照射により塗膜が瞬時に硬化するため、施工当日からすぐに歩行や家具設置が可能となり、入居日をずらす必要がありません。
ピアノのような鏡面仕上げの強い光沢は、床の美しさを際立たせる効果もあります。

なぜ新築入居前の施工がベストタイミングなのか?

フロアコーティングの施工は、新築の入居前が最もおすすめのタイミングです。

その最大の理由は、最高の仕上がりと性能を最大限に引き出せるからです。家具や荷物が一切ない「完璧な状態」で、職人が隅々まで丁寧に塗布できます。また、居住中のホコリがない「クリーンな状態」のため、コーティング剤がフローリングにしっかりと密着し、耐久性や持続性が向上します。

さらに、入居後に発生する家具移動や荷物の保管といった余分なコストや手間がかからないため、トータルコストを抑えられるという経済的なメリットもあります。

メンテナンス方法と長持ちのコツ

フロアコーティングの効果を最大限に引き出し、美しい状態を長持ちさせるには、適切なお手入れが非常に重要です。普段の掃除は乾拭きで十分で、ホコリを取り除いた後、乾いたフロアワイパーなどで軽く拭きましょう。
水拭きをする際は、必ず固く絞った雑巾やモップを使用し、水滴を残さないように注意が必要です。
洗剤を使う場合は、必ず中性洗剤を薄めて使用し、成分が残らないように拭き取ることが大切です。一方、コーティング膜を劣化させたり剥がしたりする原因となるため、メラミンスポンジ研磨剤入りのクレンザーアルカリ性や酸性の強い洗剤、シンナーなどの有機溶剤は絶対に使用しないでください。また、粘着テープを長時間貼りっぱなしにすることも避けるべきです。

フロアコーティングに関するよくある質問(Q&A)

Q.床暖房が入っているフローリングにも施工できますか?

はい、結論から申し上げますと、ほとんどのフロアコーティングは床暖房に対応していますので、問題なく施工が可能です。現在のフロアコーティング剤は、フローリングの熱による伸縮や変質に耐えられるように設計されています。そのため、床暖房を使用しても、コーティングが剥がれたり、ひび割れたりする心配はほとんどありません。

ただし、ごく稀に床暖房非対応のコーティング剤も存在しないわけではありませんので、念のため、施工を依頼する業者には、使用するコーティング剤が床暖房対応品であることを事前にしっかりと確認することをおすすめします。

Q.施工にはどれくらいの時間がかかりますか?匂いは?

フロアコーティングの施工時間は、一般的な広さのリビングダイニングの場合、下地処理からコーティングの塗布まで含めて半日~1日程度が目安となります。ただし、塗布後の乾燥・硬化時間には、コーティングの種類によって大きな違いがあります。

UVコーティングの場合、紫外線照射によって瞬時に硬化するため、施工当日からすぐに床の上を歩いたり、家具を置いたりすることが可能です。

Q.自分でDIYすることはできますか?

市販のDIY用フロアコーティング剤も存在しますが、専門家の立場としては、ご自身でのDIY施工はあまり推奨できません。プロのフロアコーティングは、ただ塗るだけでなく、その前の徹底した下地処理が仕上がりを大きく左右します。

具体的には、床の徹底的な洗浄、必要に応じたサンディング(研磨)、そしてホコリ一つないクリーンな環境づくりなど、専門的な知識と技術があって初めて、均一で美しい、そして耐久性のあるコーティングが実現できるのです。DIYで施工した場合、ムラができたり、すぐに剥がれてしまったりするリスクが高く、結果的にプロに依頼するよりも費用や手間がかかってしまうことも少なくありません。長期的な満足度やコーティングの本来の性能を最大限に引き出すためには、やはりプロの技術に任せるべきだと考えます。

まとめ:家族のライフスタイルに合ったコーティング

新築フローリングを美しく長持ちさせるフロアコーティングについて、シリコン、ガラス、UVの3種類を比較しました。それぞれに独自の強みと弱みがあり、唯一絶対の正解は存在しません。最適なコーティングを選ぶためには、ご自身の家族構成、ライフスタイル、予算、そして「安全性、美観、耐久性、コストパフォーマンス」のどの要素を最も重視するのかを明確にすることが第一歩となります。
この記事が、新築という大きな節目において、後悔のない賢い選択をするための一助となり、ご家族皆様が快適で美しい新築生活を送れることを願っております。