最近では、ルンバをはじめとするロボット掃除機が家庭で広く活躍しています。ボタン一つで自動的に掃除してくれる便利さは、一度使うと手放せないという声も多く聞かれますよね。
そんな中、マンションなどの住まいで「フロアコーティング」を施工している、あるいはこれから施工を検討している方にとって、「ロボット掃除機ってコーティングに悪影響はないの?」という疑問は意外と気になるポイント。今回は、フロアコーティングとロボット掃除機の相性や注意点、日常のお手入れ方法まで、ユーザー様向けにわかりやすく解説します。
フロアコーティングを施工した床にロボット掃除機を使っても良いの?
結論、使用可能です!
しっかり施工されたコーティングであれば、通常の使用によって大きなダメージが生じることは少ないとされています。ですが、「まったく問題ない」と言い切れるわけでもないのが実情です。
特に注意したいのは、吸い込んだゴミをブラシや車輪で引きずるケース。ロボット掃除機は本体の下部に回転ブラシや車輪があり、そこに固いゴミ(例えば小石や砂粒、ガラス片など)が挟まったまま移動すると、それが引きずられてコーティング面に細かい傷をつけてしまうことがあります。
また、ロボット掃除機の構造上、段差や床の継ぎ目などにガタつきを起こしやすく、そこにゴミが引っかかると床を傷つけるリスクが高まります。
傷を防ぐためにできること
では、ロボット掃除機を使いながら、できるだけ床を傷つけないためにはどうすればいいのでしょうか?以下のような対策が効果的です。
1. 事前にゴミを取り除く
一見、ロボット掃除機任せでOKと思いがちですが、掃除前にざっくり床をチェックするのがベスト。特に玄関まわりや窓際など、砂や細かな石が入り込みやすい場所は、事前にクイックルワイパーやハンディ掃除機でサッと掃除しておくと、ロボット掃除機が傷の原因を巻き込むリスクをぐっと減らせます。
2. ブラシや車輪のこまめなメンテナンス
ロボット掃除機のブラシ部分に髪の毛や糸くずが絡まりすぎて動きが鈍くなったり、車輪にゴミがこびりついたまま使い続けると、結果としてフロアへの負荷が高くなります。週に一度はチェックして、ゴミや汚れを取り除いておきましょう。

フロアコーティングの正しいお手入れ方法
● クイックルワイパー(ドライタイプ)
日常のお手入れには、ドライシートタイプのクイックルワイパーが大活躍します。ホコリや髪の毛などの軽い汚れはこれで十分。硬い繊維が使われていないため、フロアコーティングを傷つける心配もほとんどありません。
● クイックルワイパー(ウェットタイプ)
皮脂汚れや食べこぼしなどが気になるときは、ウェットタイプのシートで拭き掃除を。中性洗剤を含んだ市販のウェットシートなら、コーティングへの影響は最小限です。(流動パラフィンが入ったものは使用不可です。)
● 水拭き
水拭きモップも使えますが、「ぎゅっと絞ってから使う」ことが大前提です。水分が多すぎるとコーティングの劣化を早める可能性があるため、できるだけ水気を抑えて使うのがポイント。市販のスプレータイプの中性洗剤を併用するのもおすすめです。
注意したいポイント
ゴム製タイヤの素材に注意
一部のロボット掃除機のタイヤには、ゴム成分が多く含まれているものがあります。このゴムが長時間床に接していたり、強く擦れたりすると、まれに床に黒ずみが残る場合があります。
これはコーティングが悪いというよりも、ゴムとの相性の問題。最新のロボット掃除機では対策されていることも多いですが、念のため気になる方は、ゴム痕がつきにくいモデルを選ぶと安心です。
障害物がない環境づくり
ロボット掃除機が段差や硬い障害物にぶつかると、その衝撃がフロアに伝わり、小さな傷になることも。特に、椅子の脚や金属製の家具などには要注意です。
フロアコーティングがされているとはいえ、物理的な衝突が繰り返されると細かいダメージが蓄積します。走行ルートを整理するなど、掃除しやすい空間づくりも意識しましょう。
やってはいけないこと
- 研磨剤入り洗剤の使用
ツヤを失わせたり、コーティング面を傷めることがあります。 - メラミンスポンジでのゴシゴシ掃除
洗浄力が強すぎて、表面の保護層を削ってしまう可能性があります。 - 家具の引きずり移動
床を傷つけやすくなるため、脚にフェルトを貼る・持ち上げて移動するなどの対策がおすすめです。 - ワックス
ワックスやワックス配合のウェットクリーナーは使用しないでください。 - シリコンマット
玄関・キッチンなどのマットの滑り止めにシリコン剤の入ったものは使用しないでください。
スリッパ(施工後1週間)
施工後1週間はスリッパを避けてください。裏地がフェルトタイプは使用可能です。
養生テープ
養生用のテープはコーティング面に貼り付けないでください。(修繕工事の折は建築会社に必ずお伝えください)
まとめ
フロアコーティングとロボット掃除機は、基本的には問題なく併用できる相性の良い組み合わせです。ただし、細かい傷を防ぐにはちょっとした工夫が必要。掃除前のひと手間や、ブラシ・車輪のメンテナンスが、床を美しく守るカギとなります。
また、日常のお手入れとしては、クイックルワイパーや水拭きモップなどを適切に使い分けることが、コーティングの劣化を防ぎ、清潔な住環境をキープするポイントです。
「便利さ」と「美しさ」は両立できます。ロボット掃除機を上手に使いこなしながら、フロアコーティングの輝きを長く楽しんでくださいね。